狼と羊





 桜井と森。

 身長同じ、体格似たか寄ったか。なんでこのふたりがダブルスを組まなかったのか考えた末、出た答えが羊と狼。肉食草食というポテンシャルの違いだった。
 もっというなら自覚と無自覚。桜井は自分に興味がある人間で、髪とか固めてたり眉とか整えたり鏡だのコームだの持ち歩いてたりするけれど、それは別に女々しいとかではなくて、いつでも「とんがってて孤独なおれ」でいられるために髪に櫛目が残っているわけだ。憧れがあって、努力している。
 森はその点まだ「理想のおれ」は見つかってない、努力して被る仮面もない。嬉しいときは嬉しいと笑い、辛いときはつらいとへこむ。ラクそうだが、鎧が無いぶん、ふいに思いっきり攻撃されたらやられるしかない。羊だなあ。

 内村は羊飼いかな。狼少年と呼ばれたりな。羊を導いていったいどこへ?




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