不動峰



 後輩いびりがはびこるテニス部をぶっつぶしてつくりあげられた、ゼロスタートの不動峰テニス部。他のどの学校よりも不遇な環境にありながら才能ある部員に恵まれ、その実力は青春学園や氷帝にもひけをとることはない。部長への信頼を主軸とした結束力を何よりの武器とする、橘桔平率いる黒ジャージ軍団!


橘桔平
橘 桔平(3年・シングルス1)

 部長。九州2強と謳われた強豪プレーヤーらしい。
 2年の二学期に不動峰に転校してきて、現部員(当時の1年生)とともに新生テニス部を設立。

 とにかく悠然と構えていていかにも頼りになる感じの部長。腐ったテニス部の先輩や顧問やらに立ち向かう姿勢がテニス強いだけじゃねえぞ、の人格者。人格者だが喧嘩もこなす。顧問の教師にアイアンクロー(しかもこめかみじゃなくホホの急所を責めるほう)を喰らわせていた姿はあまりにもヤンチャ。
 部員にはめちゃくちゃ信頼されているが、先輩・後輩といった隔たりはあんまり感じない。山吹戦の前に神尾にヘッドロックかけたりすらしていたような気がする。やはりやんちゃくれ。九州男児。
 橘部長、ではなく橘さん、と呼ばれている。部員みんなの兄貴分。もともと妹もいるし面倒見はよいようだ。部長は仲間思い、部員たちは部思いで部長思い。まさしくワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン。いい関係だ。
 後頭部は刈り上げなのに、なんかちくちくしてそうな、坊主ともスポーツ刈りともつかない、なんとも手入れの悪そうな髪型をしている。やんちゃくれ。
橘桔平13さい
橘 桔平(九州時代)

 ルドルフ赤澤とすれちがったときに、赤澤の心の中に発動したスタンド。もっさりした金髪。通称ライオンヘア。忘れてはいけないのは当事彼が13、4歳であったということである。まずいったいどうやったらこんな子に育つのか。そしてどんな失恋をしたらああなるのか。13、4歳の身空で。追求の必要性を感じる。
橘杏
橘 杏(2年)

 橘桔平の妹。本人もテニスをするらしい。試合会場にも顔を出すなど、不動峰テニス部を見守り、応援しているようである。ストリートテニス場にもよく顔を出す。兄の人間性はもちろん、テニスの腕にも大きな信頼をおいているようだ。

 試合会場で他の学校の女子生徒が絡まれているのをみて黙っていられない、ホホをはたかれてもひるまない、となかなか勝ち気な性格である。火の国の女。お兄ちゃんとしては心配なところだ。
 試合会場で絡まれていたときは青学桃城に助けられた。試合の会場の他にストリートテニス場でも氷帝の跡部に絡まれたりしている。が、そのときも桃城(と神尾)に助けられた。彼女は桃城がレギュラー落ちしてストリートテニス場にきているときにも現れ、桃城もろとも(また)跡部に絡まれたりしている。許斐先生は彼女を桃城といい感じにしたいようだ。お兄ちゃんとしては心配なところだ。
 でもあの丈の短いスカートのセーラー服でテニスするのはちと大胆すぎると思った。
神尾アキラ
神尾 アキラ(2年・シングルス3兼ダブルス1)

 不動峰テニス部スピードエース。全力疾走の自転車と競争してもいい勝負ができるほどの、ケタはずれのスプリント能力で相手を翻弄する。クイックサーブも得意。
 シングルスだが、先手必勝速攻オーダーの際は伊武と組み、ダブルス1に降りてくる。へんな口癖がをもっている。リズム。

 エンジンかけるときは「リズムにのるぜ♪」
 調子をあげるときは「リズムをあげるぜ♪」
 青学の桃城に自転車とられて追っかけるときには
「ここはリズムをあげるしかねーっ!!」
しまいは橘まで「おまえのリズムが狂ってるぞ神尾!」とか言い出す始末。
おまえのリズムも狂っとるぞ橘。
 初めてジャンプでリズム発言が飛び出したときには、管理人の周囲で失笑、爆笑、旋風を巻き起こした。当時テニプリを知らなかった管理人でも「リズムにのるぜ♪」だけは知っている状態。
 口癖の洗脳力のすさまじさもさることながら活躍の場にも恵まれ、登場回数も多い。初登場時はなんかニヤニヤしていたりかりあげが強調されていたり、うさんくさい鬼太郎以外の何でもなかったのだが、地区予選終了時、青学海堂に用もないのに「よう、マムシよう」とか話しかけたり(仲良くなりたいのだろうか?)、自転車ぶんどられて怒りの対象だったはずの桃城とフレンドリーに情報交換しあったり、氷帝の跡部にムシられて「俺は不動峰2年神尾だーっ!」と名乗って御丁寧なことにもう一度ムシられてみたりと、なんだか構ってもらいたい子犬の趣である。きっと部内でも構われまくりであろう。
 ただ神尾はムシされたり意地悪されたりしてプンスカしている姿が一番かわいいので、かわいがられるというよりはソフトおいたのフルコースだろう。うわぐつ隠されたり寝ている間にまぶたに目ェかかれたり、頭に目玉のオヤジ載せられたり知らないうちに背中に
「COOL!COOL!COOL!」って書かれた紙はられたりして、なにすんだよもう!とかプリプリしてるのがいい。たまに伊武とか内村あたりにハードなおいたくらわされて、橘さんに泣きついてるくらいが丁度いい。
 ピンで留めたい気持ちを掻き立てられる2年生。
伊武深司
伊武 深司(2年・シングルス2兼ダブルス1)

 不動峰テニス部事実上の副将。
 青春学園の不二周助と並ぶ才能を持っているといわれ、顔面めがけて飛んでくる「キックサーブ」や、相手の筋肉を一時的にマヒさせる「スポット」といったなかなか陰湿な技を持っている。
 普段は無口だが、なにか機嫌を損ねると、ボソボソボソボソとぼやきはじめる。ボヤッキー。
 基本的にシングルスだが場合によっては神尾とダブルスも組む。リズム&ボヤッキー。R&B。

 髪はサラサラ、目は虚ろ、普段はもの静かに構えていて表情もなく、まるでお人形さんのような美少年、と位置付けられている人物らしい。その実根暗か陰険か。謝るときは「すんまそん」。
 攻撃的な持ち技に違わず、あまり他人を顧みない、よくいってマイペース、悪くいって唯我独尊な性格のようだが、尊敬する橘にだけは従順。橘さんがやめろといったらやめるし謝れと促されれば謝る。他人への対応はおざなりだが橘さんだけは別格。部のため、ひいては橘さんのためなら怪我をおしてでも試合に臨む。どうやら好きな相手には尽くすタイプのようである。
不動峰の黒峰美花。
 橘は神尾を始め、部員一同のことは名字で呼ぶのだが、なぜか伊武のことは「深司」とファーストネームで呼ぶ。追求したい点である。
黒峰美花
黒峰 美花(ライジングインパクト)

 ヘビのように執拗で執念深いプレーが信条のゴルフ娘。三白眼が恐いが恋人には献身的。麗しいが、献身的すぎてまたそこが普通の人にはちょっと恐かろうが‥‥
東堂院戒
東堂院 戒(ライジングインパクト)

 黒峰の恋人。こっちも恐いのでいいカップルである。中学生の身空ですでに亭主関白の技術を身につけている。
 みんなも東堂院と黒峰に橘さんと深司を重ねてみよう!しっくりくるけど恐いから。
石田鉄
石田 鉄(2年・ダブルス2)

 180cmをこす長身プレーヤー。不動峰のタオルさん。返した相手の腕を壊すほど強烈なショット「波動球」を必殺技に持つが、使い過ぎると自らの腕を破壊しかねないので、橘に使用を禁じられている。地区予選で青学河村・不二ペアにこれを使い、河村の腕を破壊。先方の棄権で勝利する。ダブルスの相方は桜井。

 でかいしパワフルだし、もっとジャイアンみたいなガタイのいい人物だと思っていたのだがそうでもないらしい。ゴツイわタオルだわで取っ付きにくいかと思いきや、顔だけ見ている限りでは一番笑顔がフレンドリー。
神尾の笑顔のほうが遥かに妖怪じみていることがわかる。
 
熱くなると自分のことを顧みず無茶なことをするようだが、地区予選終了時には負傷させてしまった先方に気遣いを見せるなど、性格は悪くない。
 波動球を打つとその強烈さから絵の線がブレて二重になる。確かに石田が最も輝いている瞬間ではあるが、ブレた絵をファンブックの人物紹介に使うなんてあんまりだ。
 あれはタオルだろうとばかり思っていたのだが、アニメで見たところどうもタオル地ではない。だがバンダナにしては白すぎるしガラもないし不自然である。では一体あれはなんなのか。管理人は三角巾だと推測する。
桜井雅也
桜井 雅也(2年・ダブルス2)

 不動峰のタオルさんの相方。強烈なトップスピンのかかったいいショットを持っている。が、青学不二のつばめ返しで断ち切られた。

 中1時代を見ていると、なにかにつけ前の方に描かれていて、ひょっとしたらあの頃はまとめ役的、みんなの代表的存在だったのかもしれない。大人びて見える。が、それはまた13歳の身空でオールバックというかリーゼントというかのあの髪型のせいかもしれない。後ろから見たときツヤツヤしてるほうが桜井。ツヤのないのが森。身長も体格も違いがないのでそう見分けるより他はない。
 神尾、伊武、石田、桜井の4人は山吹中との試合前、タクシーで事故に遭い負傷している。負傷を隠して試合に出場したものの途中でバレて、橘に棄権試合にされている。
 タクシーの中での会話によると、石田・桜井ペアは新技を完成させているとのこと。次回登場が楽しみである。
森辰徳
森 辰徳(2年・ダブルス1)

 不動峰のダブルス1、相方は内村。悲しいことだがこれ以上書くことがないくらい出番が少なく、特徴もない。
 が、内村と試合中にテレパシーで会話するという凄いこともやってのけた。そのうち山吹中の地味’Sのサインプレー以上のことを成し遂げてくれるであろう。
 青学大石・菊丸の黄金ペアに敗れはしたものの、橘に励まされて一言で元気付いたりしている。素直だ。

 出番が少ないだけならまだしもテニプリのファンブックにすら「他の選手と比べるとやや見劣りする」とか書かれてしまう不憫な人。
 管理人はファンブックを読んで、全ての選手に好きな食べ物が設定されているのを知ったとき、すぐさま
黄レンジャーチェック(カレー好きチェック)をかけた。その際にひっかかったのがルドルフの赤澤と不二裕太、そしてこの森であった。といっても純粋にカレーライス!と明言したのは赤澤だけで、裕太はかぼちゃ入りカレー、森に至ってはそば屋のカレーうどんなどと書いてある始末。当時は裕太にも森にも「こンのこだわり小僧ども!!素直にカレーで喜べ!おとなしく黄レンジャーになりやがれ!特にうどん!通ぶってんじゃねえぞ!そんなことで個性を主張するからてめえはいつまでたってもザコなんだよ!このモブ僧がッ!!」などと凄まじい罵詈雑言を(何の恨みのないのに)浴びせた。

 しかし彼は橘いわく「先手必勝オーダー」の氷帝戦において、ダブルス1からひっこめられる(
先手必勝オーダーで後半に回される)という事実上の戦力外通告をうけている。それを噛み締めながら名前だけの大将としてベンチを温めていたのかと思うと、流石に哀れに思った。さらに対山吹戦でダブルス2に降格。そして勝負がついてないうちに棄権試合。見せ場、なし。あんまりだ。

 かわりにダブルス1に入っているのはシングルス兼任の神尾・伊武ペア。ダブルス専門がシングルス兼任の連中にすら劣るというのか。そもそも
ひっこめるならシングルス2の石田・桜井ペアじゃないのか。それとも対青学戦でダブルス1に森と内村を据えたのは、実力が上だからではなく黄金ペアへの捨てごまにするためだったのか。そこらへんどうなんだ橘さん。

 だがしかし根っからのモブである森のこと、オレっていらない子?と心の中で涙を流しつつも、神尾あたりに不動峰ファイ!とか一生懸命声援を送っているのであろう。そんな一生懸命なモブっぷりのせいで、逆に心の葛藤は橘さんには全然気づかれないであろう。きっと試合後の帰り道では内村相手に「オレもう誰信じていいかわかんないよ‥‥」とかメソメソやって、泣き寝入りしていることであろう。かわいそうに。もう黄レンジャーやれなんていわないから泣くなよ。モブモブ言ってごめんな。事実だけど。
 そういったわけがあるので、森のアイキャッチはムダにかわいくかかれているのであります。
 不動峰のおとうふ。優しくしてあ
げて下さい。


モブ:ヒーローたちのまわりでスゴい!とかなんてやつらだ!とか驚いて、場に彩りを与えるザコの人々。
内村京介
内村 京介(2年・ダブルス1)

 誰が呼んだか通称「前衛キラー」。森を相方にダブルス1を担う。相手方の前衛の顔面を狙うのが真骨頂。
 非常に分かりやすい凶悪プレースタイルだが、初登場時が対青学黄金ペア戦であったこと、そして黄金ペアもテニプリ内で初めての試合というのが重なって、菊丸のアクロバテイックプレーに彩りを添える結果になり、敗北。雨にまで降られた。散々である。
 学ラン着てても帽子はとらない。校舎の中でも帽子はとらない。校長室に入るときにだって帽子はとらない。そのうえ背まで低いので、乏しい表情がさらに見えない。

 不動峰には先方に怪我をさせるような危険な技を持ったプレーヤーが揃っている。伊武と対戦した越前は流血、石田の波動球を返した河村も負傷。が、それは事故であったり、相手方の無茶もあったり、決してわざとやっているわけではない(伊武のキックサーブはわざとだが、これで越前を負傷させたわけではない)。そういったわざとじゃないけど結果的にラフプレーになってしまう集団の中で、オレはわざと顔面狙ってるけどね!というプレースタイルを貫いているのがこの内村である。
 見せてやるぜオレの真骨頂!唇をペロリ。絶好球が来てニヤリ。そして至近距離から
ガツーン。人に怪我させてしまうかもしれないという気おくれは、ほかの不動峰プレーヤーとは違ってないようである。むしろわりと楽しそう。

 後輩いびりににあっていたときも、コイツだけは表情が見えない。他が殴られて悔しそうに先輩方を睨んでいたときにすら、あさっての方向を見ていたりする。他が義憤に憤っている最中に、やれやれ先輩方程度低いなァ、とでもいいたげなポーズ。

 そういうあたりとプレースタイルから推測するに、他の部員とは違って、
汚いのアリなんじゃない?とか思っている節がある。青学のカチローに「なんか怖そうな人がいる」といわれるやばいオーラがでているのだ。

 とはいえ、大石・菊丸戦に敗れたあと力不足を橘さんに詫びたりしている姿や励まされて元気だしてるところを見ると、部長には信頼をおいているようである。

 しかしその後の度重なる戦力外通告的しうち
(「先手必勝オーダー」の後半に回される、氷帝戦においてダブルス1の座をシングルスの連中に奪われる、山吹戦でダブルス2に降格)。森なら泣き寝入りだが攻撃的な内村のこと、キレるまではいかないまでも、スネたりヒネくれたりはしているのではなかろうか。くり返される戦力外通告に、「オレもう誰信じていいかわかんないよ」とかメソメソやってる森に、「大仏みてえなツラしてても結局中坊なんだよ、気が回んなくても許してやろうや、つーか世の中なんか所詮こんなもんだよ、オトナもオトナぶってる連中もオレぁ大ッキライだよ!絶滅しちゃえ!」とかパンクなことをいっていそうだ。そんな少年期特有の破壊衝動に突き動かされて日々顔面狙いをくり返す。声にならない怒りが実る日は来るのだろうか。

 とにかく内村には次回登場時も顔面を狙っていて欲しい。
泣いてもあやまんねーからな!という悪ガキのスタンスであってほしい。そして願わくば、黄金ペアに一矢報いて欲しい。顔面狙えるコントロールがあるんだから才能がないというわけではなかろう。
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しかし見事にかたよった。というか森と内村によくぞここまで書くことがあったもんですな、我ながら。
あと、伊武の献身は橘さんには受け止めきれないので。逃げ腰で。そんな簡単に悟りは開けません。



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