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12月27日、言語論

先日見たクレヨンしんちゃんの劇場版のビデオ
(確か『オトナ帝国の逆襲』、今の時期だとレンタルで新作扱い)
の中のセリフで、「懐かしくて気が狂いそうなんだよ!」というのがある。

喜怒哀楽とかそういうヴィヴィッドな感情でない、
人間くらいの知的生命体でないと感じられないはずの「懐かしい」なんて
高度で難解な感情で気が狂いそうなんだから、
これは尋常なセリフじゃない。


MOTHERやMOTHER2というゲームの中にたくさんちりばめられた
ちょっとおかしみを含んでいて、優しく、易しく、深いセリフにも
もちろんものすごく憧れを持つのだが、
こういった鋭くて紙一重な深遠にも、鬼気迫るものを感じる。

リンダキューブというこれまたゲームのなかで、寄生虫に体を蝕まれて
体中に走る激痛にのたうちまわるリンダが、傍らの主人公ケンに
「ケン、おなかいたい‥‥!」と訴えていたときと同じような、戦慄ってモノを感じた。


体の皮膚を寄生虫に喰い破られて血を流して、
それでもなお皮膚の下を何かが這いずり回る様子が傍から見ても分かる その状況で、
キモチワルイとかいうより先に、
ドコが痛いって、おなか。

リンダは女の子で、『おなかがいたい』。


シナリオを書いたのは男のひとですよ。
女の子の『おなかがいたい』は未知の領域にして驚異のはず。
同じ人間という種族でありながら例の内臓にばっかりは絶対の隔絶がある。
鬼気迫る状況下で、生物としての深淵を覗くセリフがもう、病的。ゾク。


生物としての格差を感じるセリフで戦慄を覚えるのは何もフィクションの世界だけじゃない。

つい最近なら、大阪の小学校に刃物を持って乱入した男の事件の、
被害者のひとりである小学生がいった言葉、
「犯人を一生そとに出さないで下さい」がクる。


もっとすごいのにはこんなのもある。
ワカヤマ春菜ちゃん殺害事件の、春菜ちゃんの弟(7歳)がいった言葉。
「犯人を一生おりから出さないで下さい。たべものも一生あげないで下さい。」


子供のこっぴどい言葉には、まだ人間の肉体に魂が馴染んでないような
浮き世離れしてるくらいの残虐な感触がある。
死から遠いというのはまあ当たり前だが、生き抜く苦しみやら迷いやら、
そんなものももちろん大人とリンクしてない。
大人同士なら相手の苦しみをわかってやるとか、配慮とか、考慮とか、
あるいは感情移入して思い遣る余力もあるだろうが、
子供には共感できる余地なんてないから、情状酌量も執行猶予もない。死刑だ死刑だ!


それでいて「おとうさん、おひげがささってるよ、いたくないの」なんていいやがる。

なんちゅう生物だ。
子供大好きだ。


ついでに春菜ちゃんの弟氏の言葉、
「牢屋」じゃなくて「おり」、
たべものを「やらないで」じゃなくて「あげないで」というところ、
曲解すると犯人のことを動物園か何かのケモノ扱いしている、ともとれる。
怒りなんて体温のある感情ではなく、さげすみとか、一本キれちゃった冷酷さを
汲み取ろうと思えば汲み取ることもできる。
ここの部分が恣意的なもので、幼いということを利用した皮肉だとすると
この弟君の業のうねり、タダ者じゃない。超高校級7歳児だ。


犯人を一生おりから出さないで下さい。たべものも一生あげないで下さい。


‥‥そこまで深く考えていないことを祈るのみである。

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12月6〜26日、徒然

忙しくて更新できなかったながらもいろいろと面白いことはあったので
思いついた端から書いていく。


『わたしの中のテニプリその後の顛末』

11月23日の飲み会とアニメ放映のおかげで随分心動かされたテニプリだが、
12月8日に一気読みし、10.5も読破して、
よっしゃコンテンツ作ったろ!と布団に入っていたのだが、
朝起きたらすっかりそんな気もうせ、コミックスに貼ってあった付箋が
見事に半分以上はがれ落ちた。

なんかこうコンテンツつくりてえ!って欲求は未だにあるのだが
なにぶんわたしが作ると辛口というかシニカルというか
結構キツイツッコミだらけになるので、
対象に深い慈愛の心が持てないものを据えた場合、
単なる糾弾というか悪意の塊のようなもんになる気がする。


わたしは小学校あがる前からジャンプを毎週読める環境にあり、
というかあとサンデーとマガジンもずーっと読んでおり、
また少女マンガをそのぶん読まなかったこともあって、
わたしの心の成分の大半は少年マンガによって構成され育まれてきている。
ドラゴンボールとかスラムダンクとかろくでなしブルースとか、そういうもののいいところが
わたしの中の侵すべからざる美徳とか憲法になってて、
その心でもって少年マンガを読み、笑ったり悲鳴あげたりしているわけなのだ。

少年マンガの多様化には自分が寛容ではあると思うし、
新しいテイストのマンガが読めることには賛成するんですが
でもやっぱりジャンプを読むと友情と努力と勝利を求めちゃうわけですよ。
それをちゃんと踏まえてさえいれば、いかに破天荒であれなんであれ心が許してしまう。
黙って見守りたいとかもり立てたいとか広めたいとか、慈愛の心がわく。
頭では「本気になっちゃダメ!」とか思いつつも心は「でも好きだ」であり、
併せて「クッソー、おもしれえ」と、心揺らいでコンテンツと成すのであります。
画像に関しては手が勝手に描くのでそうとも限らんのですが、
テキストは心の揺らぎ、情動のままなので、心が動かんことには何とも書けぬ。
数日前のアレは読むまえの期待感だったようだ‥‥。


テニプリには友情努力勝利が5:1:94くらいの割合に感じられてしまってどうにもしっくりこない。
むしろ天才だらけで努力が否定されているような気すらしてくる。凡人のひがみか?
あんなに汗描いてるのに汗かかないマンガに読めるのはなんでだろう。読み方が悪いのか?

老婆心とは思うが、ワンピースやルーキーズ全然読まないで
テニプリだけ読んでテニプリを心の基盤に育ったら、なんかすげえヤバイような気がする。
たかが少年マンガに、と思う方も多いとは思うのだが、
どうにもわたしの心の道徳が危機感を訴えてきているのだ。
テニプリが少年ジャンプのマンガの代表的な一作品になっちゃってるのは
時代の流れとか売り上げとか、大人の理由でギリギリ許す(尊大承知!)が、
ジャンプの顔にすることだけは絶対にあってはならん!と。

まあ友情努力勝利は好みの向きでしょうがないと思って下さいな。
全体的に努力の部分が足りないのでテニプリ自体は好きとは言えないが、
努力がの部分がわりとかかれている海堂や、不動峰には慈愛がわいた。アイドルより役者がいい。


絵に関して‥‥は‥‥上手い下手をいうより前に、どうにも見どころがないというか‥‥。
デッサンだのなんだのではない部分の話で、
ワンピースのように勢いがあって動物が表情豊かでいいとか、
ジョジョのように追随を許さないオリジナリティーがあるとか、
ルーキーズのように絵も感情もリアルで見ごたえがあるとか、
ジャガーさんのようにリアルとコミカルを自在に操れるとか、
遊戯王のように凄まじい画面構成力や緊張感があるとか、
ライパクのように豊か、かつ多彩なキャラと風景とか、そういうのがない。
なんかどこもかしこも(顔面以外のところで)写真をトレースしたかのようだ。誉めてないよ。
11巻もあってテイストがみえてこない。‥‥な、ないのかな?


で、以上をまとめるとすれば許斐先生に言える言葉は二つだ。

「血液型考えてるヒマがあったら努力を描け!!」
深みのないキャラは愛せねえ。血液型が人間に厚みをあたえるかってえと‥‥な。
「チャック見たくてジャンプ買ってるワケじゃねえぞ!!」
自分のテイストが確立していれば描くべきところと描かんでいいところ、分かるはずなんだが。
クツとかラケットとか見たきゃカタログ読むよ。許斐先生にしか描けないものを描いてよ。無論、いい意味で。

やっぱりキツイこと書いた気がするな‥‥。



ちゃんとマジに読み込んだ結果、責任を持って好きだとはとても言えないテニプリですが、
無責任に大爆笑、つまり
「本気になっちゃダメ!」→「でも好きだ」→「クッソー、おもしれえ」
のステップをとびこえて見た瞬間大爆笑になったのがいくつかあるので
それに関してはなんとかする。

ターゲットはリズムに乗る男と手塚ゾーン。
こいつらはいつか解析してやる!!


『合宿』

10日から22日にかけて合宿をした!!
大変実りある合宿であった!!
本当は何してたのかいいたくて仕方ないんですがいわない!
そのうちいう!


『グラップラー刃牙』

合宿のついでにグラップラー刃牙をたたきこまれ、魂に刃牙が焼き付いた。
この間アニメで最終回を迎えたので何かのついでに見て下さい、と
いうわけにもいかなくなったが、あらゆる意味で見たことないアニメだった‥‥。


グラップラー刃牙を御存じない方はまあとりあえず本屋さんにいってみて下さい。
それで少年チャンピオン(だったかな?)の棚のあたりの、
最も筋肉の発達した感じの人がバキくんです。

っていうか
少年マンガの棚のなかで
最も筋肉の発達した感じの人がバキくんです。



アニメのほうは最大トーナメント編で終了してます。
東京ドームの地下で秘密裏に行われる正真正銘なんでもあり(ドーピングもオッケー)、
アルティメット中のアルティメットバトルまでの長く、死にそう、というか普通 死ぬ、
長い長いバキの道のりを描いた、簡単にいうと異常な物語です。

主人公のフルネームは範馬刃牙。はんま。わたしはアニメで入ったクチなので(しかも終了直前)、
あまり詳しいことは知らないのですが、
バキに詳しい(ような気がする)不可王さんが語るところに拠ると
覚えておかねばならないのはバキくんのとうちゃん、範馬勇次郎。はんま。
地球上最強の生命体にして人間核弾頭、
ひとりで一国の軍事力に相当するバケモノ、というか、
バケモンどころの騒ぎじゃない、もう勇次郎としか表現しようない存在です。
別名オーガ。背筋が発達しすぎて鬼面に見えるがゆえについたあだな。

そしてバキくんの異母兄弟のジャック・ハンマーさん。はんま。本人いわく、
「薬物と滅びゆく肉体とのせめぎあいの果て、
薬物を凌駕する例外の存在、
日に三十時間という矛盾のみを条件に存在する肉体」

寿命すらいらねえ、求めるのは強さのみ、ドーピングしまくり、鍛練もしまくり、
ボロボロの肉体でバキとたたかうおにいちゃん。得意技は、かみつき。エグイ。

他にも花山薫さんとか愚地独歩ちゃんとか徳川光成おじいちゃんとか
いろいろ教わったのですがその異常さにおいて範馬の血族に
匹敵するのがいないような気がして、印象が薄い‥‥十分濃いいけど。
まあ‥‥無断リンクを御紹介いたしますので是非いって下さい。

血まみれ屋敷様。
お笑いマンガ道場はとりあえずおさえておいてください?

バキ総合サイト様。
ちょっと前に日記に書いたぜんぜんうれしくねえ御褒美画像をめざすブロック崩し、
『仁侠崩し』はこちらのサイトさまに。コンテンツ豊富すぎ!

あとトリだん様(すいませんこんなとこからもリンクして‥‥!)の地下で
あずさ2号さまとだんじさまが、我々のリクエストに応えて
地下トーナメントを開催して下さったぜ!ウフ!!勇次郎〜!

とりあえずはここまで‥‥。

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12月5日、わたしの心は揺れています

タイトル:‥‥アノナ

本文:

わかっているんだが‥‥マジになりそうな自分がいる‥‥!
いやだ!ハマりたくない!助けてハインリヒ!むしろさらって!



これがわたしの、テニプリに対する現在の正直な気持ちです。
も、もともと愉快なものに無条件降伏してきたわたしが
いつまでこの気持ちを胸に秘めておけるか‥‥

コンテンツつくりそうな己がこわい。
この時期にハマることもこわい。
そしてしょせんツッコミサイトであり、
遊戯王と違って「おもしれーよ!爆笑だよ!」などと声高に言えず
好き勝手な愉快系コンテンツつくってサーチエンジンから
登録を拒否されるような気がしてこわい。


というかサイボーグ009のフィギュアの002が手に入らなかったことが
わたしの心の中で相当の痛手となっておるような気がする。

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12月2日、ヤマトとタケシ

先日書いた日記について、エンゲルとかよーぐとか、
違う学校だったと双方から指定を受けたので訂正する。
アイツらいったいどこで知り合ったんだろう‥‥。塾かな。


ヤマトとタケシ。
惜しい!デジモンではありません、男子フィギュアスケートです。
毎年この時期になるとやっとNHKのありがたみがわかります。

わたしは特に応援している選手がいるわけではないのですが
(スポーツというより芸術と思って見ているので、強いていえば上手い人を応援する)
かなり長い付き合いで見ています。
NHK杯はほぼ毎年見てかれこれ8年くらいかそこら‥‥。
ソ連が解体されてないころくらいからみていたような気がする。
ソ連が解体されてからロシアとかウクライナとか、
選手の国の種類が増えたことを覚えている。
ウクライナのイリヤ・クリク(男)がサークレット(額につけるアクセサリー)
して出てきたとき「こりゃいったいどこの妖精さんだよ」と姉上と語らった覚えがあるのだ。


で、見始めて数年後、わたしが高校生の時に、
それまでいなかった日本の選手があらわれた。
年下である。そいつは当時中学生。本田武史選手である。
あのころアマチュアでカリスマとなっていた(今はプロ)
フランスのフィリップ・キャンデロロがもー、トロけるような
スケーティングをみせているかたわらで、
ちっちゃい体でピョンコピョンコ飛んだりはねたりしているのが印象的だった。
その彼ももう20歳。
今まで見て来てNHK杯で一番になったことは一度もなかったけれど
今年ちょっくら制度が変わって、世界のマジに一流の選手がほかの大会に流れていて、
そのためちょっと上が開いた、とはいえ初めて金をとった。
オリンピックは民放か‥‥。楽しみだ。


ちなみにタケシは笑ってもちっとも可愛くない不思議な生き物です。
昔応援の垂れ幕に「笑え!武史!」というのがあったんだが、
コレが不思議なことに笑ってもちっとも可愛くない。
「武史!ムリして笑うな!」といったところでしょうか。


今日は009もフィギュアも見てたのでテレビの前に固定されちまったなあ。

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12月1日、事件のカゲに、やっぱり矢張

ゲームボーイアドバンスを借りて逆転裁判をやり狂っております。
持ち主であるよーぐをさしおいて3周ほどしておりますが
ほんとキャラの表情がイキイキしていて見ごたえがあります。
とくに御剣(ミツルギ)検事がイイっつったらイイ。
主人公にしっぺ返しを食らって愕然としている表情も
悔しそうというか苦しそうというか、
ちょっと横むいてうつむいてる顔もうなじもムダにセクシー(すいません、腐ってて

このゲームの登場人物の中に矢張政志(やはりまさし)というキャラがいる。
この人物は悪気はないのだがなにかと事件に巻き込まれたりする特性があり、
ゲーム中で「事件のカゲに、やっぱり矢張」と称せられている。


似たような特性を持つ人物をわたしはひとり知っている。
その名はケイコ。
奇跡のサイトちゃーりぃの、管理人その人である。

よくは知らないのだが、
よーぐ、不可王、うさぎ、エンゲル刑事、そしてケイコ女史は
わりと近い地域に住んでいたらしい(そうでもないか)。
エンゲルとケイコ女史は家も近くよくツルんでいたようであるが、
チーム603(よーぐ、不可王、うさぎ)とケイコ女史はほとんど面識はなかったという。

学校という制約のあるコミュニティーでは
たまにアウトローが生まれる。
そして平穏な生活を送っている大部分の生徒の耳に、
アウトローの奇行は伝説として届き、後に生徒たちが大人になってからも、生徒や教師に
「こんなことしたヤツがウチの学校いるらしいんだよ」と語り継がれるものである。



ケイコ女史とチーム603が遭遇したとき、同じ高校出身ということもあり、
学校に伝わる愉快な伝説を語らおうとした。

で、伝説の中でもことさら愉快な
「昼休みにピザを持ってこさせようと注文したら授業中に届いた伝説」
について話をし、ホントにあったのかどうか微妙だよね!と
笑って済まそうとしたところ、伝説上の人物はこういった。
「それ、わたしだ」

「いやあ‥‥ピザ屋がねえ‥‥ムダにがんばりやがって。
昼飯時の忙しい時間なのにさあ。教室まで来たよピザ屋。没収されたね」




その後話は曲折を経て、パソコン室のパソコンのことになる。
一時期突然ニ台壊れたとかなんとかの話をしていたところ、伝説はこういった。
「ああ‥‥それも、わたしかも」

「友達と掃除してて。そのころパソコンのことなんか知らんから
水拭きしまくってたらなんか‥‥火とかケムリとか、な」




イヤな予感はした。図書室の本棚の最下段の本が閲覧不能に陥ったことについて。
伝説はやはりこういった。
「ああ‥‥それもわたしだな」

「いろいろロクでもないことやってるから罰として掃除させられるんだよ。
水拭きめんどくさいからさあ。水流して、拭いたわけだ」




ほかにもたくさんあるようだが、口にだしてはいけないことの方が多い。
そして高校卒業後に築かれる伝説は、若いころの伝説はのことは単なるおイタだと
言わんばかりにシャレにならん、ルールもモラルもねえ内容となっていく。
なんでしたっけ、教習所で教官はねた話?今度詳しく聞かせて下さい。


この世に不思議な事件が多いかもしれない。
そりゃあ50億も人間がいればいくらでも起きよう。
だが伝説の出所がつねにそこ、と言うのはいかがなものか。


事件のカゲにやっぱり矢張。伝説のカゲにやっぱりケイコ。
彼の人の前に道はない。彼の人のあとに道はできる。ペンペン草も生えねえが。

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