【3月分】
2月28日、引っ越しですよ
引っ越し先で引っ越し屋に料金を払っていたところ、
隣の人(教会の人)がやってきて紅茶をくれた。
でも紅茶、読めない字でなんか書いてある。
飲んでも大丈夫だろうか。
もしくはこれを飲んだらこの黄泉の国から脱出不能になるのだろうか。
2月27日、引っ越し前日ですよ
間もなく引っ越しです。
が、パソコは未だに稼動しています。
なぜならば「引っ越し先でもすぐに使うであろうものは最後に梱包せよ」と
引っ越し屋からもらった指示書に書いてあったからである。
むろん「すぐ使う」マ−クも書く。
2月26日、早起きして出かけた
今日も今日とて引っ越し手続きにおわれて外出外出。
そしてなんとかつつがなく手続きを満了させた。
あとは荷造りしたり掃除したりして引っ越しのその日を迎えるだけである。
あれこれとひとりで動き回るのはなかなか大変だった。
もうすこし余裕を持ってやるべきですなあ。
アニメのマリク対バクラ、あの残虐さ暗黒さ腹黒さ純真さ、
ま・さ・に遊戯王の真骨頂。悪対悪、じゃなく悪魔対悪魔。
こんな少年マンガ、あんまりねえですよ。
わたしは高橋先生のこういうところがだーいすきだ!!
2月25日、向日といっしょに天高くジャンプ
犬小屋にもとうとうテニプリのコンテンツができたわけですが、
向日Gacktを見ていると「早まったか」と思わざるを得ません。
内村がテニプリにでてこないことのみがが不幸中の幸いです。
わたしは名言・名句というものが大好きです。
名言・名句というものには魂が宿っています。力強いものです。
言葉が力強くあるためには何が必要か。
それは発言者が自信に満ちあふれていることに他なりません。
誰にもわからないはずの未来について力強く、
根拠のない自信に満ちあふれて断言してこそ言葉は輝きます。
もうすでに発言内容の信憑性とかは問題ではありません。
むしろその自信と、発言の信憑性にギャップがあればあるほど
その言葉が口から先に飛び出ちゃった奇跡を寿ぎたいのです。
例えば宣言されたことがなされなかったとする。
その場合、発言者はどう責任をとるのでしょうか。
政治家が議院を辞める。責任者が辞職する。
目に見える形でいえばそうでしょう。
でもそれは人々の信頼を裏切り、
なんらかの損害を与えたから、という
他者からの罰です。
約束を違えて損害を与えたがゆえの罰です。
何の根拠もなく信憑性もない、ただ自信に満ちているだけの発言を、
確かな約束ととらえる人間はまずいません。
発言者も聞き手もそれによって損害を被ったり益を生じたりを期待してはいません。
それでもただひとつ、発言の内容が破られることによって
おとしめられるものがあるとすれば、それは発言者のプライドです。
たとえば最初はでかい口をたたいていた若者が、
大人になっていくに従って慎重な、
ある意味面白みのない発言しかしなくなっていくのは、
発言した責任の重みと(ある程度目減りした)己へのプライドを天秤にかけてつり合う程度、
プライドにふさわしい程度の発言しかしなくなるためです。
本題だ。
遊戯王には、無尽蔵のプライドをもつ男がいる。
そしてそのプライドめいっぱいの発言を、する。
わたしは彼の言葉すべてを寿ぎたい。
わたしは彼がジャンプに存在するという奇跡を寿ぎたい。
そう思って10MBほど費やして犬小屋があるのだが
ただでさえ余計なものには聞く耳持たぬ彼に、
とうていわたしの思いが届いているとは思えない。
彼の耳に聞こえるのは己への賛美、ただそれだけである。
ならばわたしも、声を大にして、彼を讃えようではないか。
皆さんもよろしければ御一緒に。
せーの、
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
カイバ!
やっぱりわたし、海馬社長が大好きです‥‥!
2月24日、009の日
引っ越しに関するあれこれがはかどらない理由の一つに、
わたしが日曜日と火曜日と水曜日、
どうあっても外出をしない、テコでも動かないというのがある。
ヒントはウチのビデオデッキが2000年問題のせいで
タイマー録画ができなくなったことにある。
そしてそれ以外に特に用事がないというこのクズっぷりを
皆様はどう思われますか?
2月23日、今日も忙しい
土曜日なのを忘れてしやくそにいって
無論しまっててがっかりした、り、した。
のですがその市民の憩いの場で、
デュエリストがデュエルしていたので
ムダ足ではなかった、といえよう。
忙しかったのだが髪を切りにいった。
ほんとに、短くしてくれと伝えたいだけなのに、
それだけを伝えたいだけなのに、どれだけ言葉を尽くしても
思いがうまいこと伝わってくれない。
美容院に行くたびに、己の言語の能力へのおごりを顧みる。
わたしなんか全然日本語うまくねえ!
まだまだ口下手!
今日だって「触ったときちくちくしちゃうくらい短くしてくれ」
といったはずなのに、1時間後には
頭が逆立っていたくらいだ!
なんかもう、テニプリの亜久津みたいになっていたので、
いたたまれなくなってアッシュカラーに染めた。
2月22日、忙しい
引っ越しはただ荷造りする以外にもあれこれ
手続きとかごちゃごちゃとあって出づっぱりです。
とりあえず水道局には電話してNTTにも電話した。
あとはガスと電気としやくそ!!
そしてリサイクル業者!!めんどい!!!
横浜線沿線に矢部という駅がある。
わたしは矢部が妙に好きでやたら矢部におりるのですが
そのことを他の連中にいうと
おまえ矢部に何の用だよとか
矢部にいったいなにがあるんだよとかいわれる。
確かに何があると問われたら
ホームセンターとかリサイクルショップくらいしかないが
それでも降りるといったら降りるのだ。
だが矢部に降りたことを公言するとまた
オメェ矢部でなにしてんだよ!とかいわれると思う。
主に金魚を見ているよ。ダイクマで。
でもやつらがあまりにもわたしを矢部から遠ざけようとするので
ひょっとしたらなんか‥‥秘密基地とかあるのかもしれないと見切った。
今後とも降りて降りて降りまくる予定。
リサイクルショップの奥が怪しい!!
2月21日、選挙に天誅
買い物に出かけたら選挙の車に出くわした。
あれはバス停の前では
「バスをお待ちの皆さんこんにちは、
渋滞問題に真剣に取り組むなんとかです」
というし、スーパーの前を通るときは
「お買い物中のみなさんこんにちは、
家計の味方、台所事情を救うなんとかです」
といって通り過ぎて行く。
買い物終わって脇道から帰っていたら、
やはり選挙の車が脇道から住宅街に入り込んできて、
わたしの後方に回り込む形となった。
で、やはりそこを通行中の1人1人にスピーカーで
ヨロシコヨロシコとやっていくわけだ。
そのとき選挙の車の前にいたのは犬を散歩させてるおっさんと
自転車でフラフラしいているわたしだけであった。
案の定おっさんに「お散歩中のおとうさまこんにちは」といった。
おっさんはどうやら手を振ったらしく、ありがとうございます、と聞こえた。
その間わたしは「アレをいわれたらあのリアクションをとってやろう」と
静かに、自転車を道路の右側に寄せて漕いだ。そして時はきた。
「お買い物帰りのおかあさま、こんにちは!」
ズシャア。
例のスピーカーから「まあッ大丈夫ですか!?」と聞こえた。
わざとやったし受け身もとったので怪我はない。
だがわたしはあかあさまではない。誰の母にもなった覚えはない。
いくらいなげやの袋提げてるからといって、
いくらわたしの後ろ姿が老けているからといって、
かってにおかあさま呼ばわりはいけない。
冷えたアスファルトから頬をひきはがしつつ、そう思った。
で、思ったことをそのまま伝え、仕上げに
大衆の面前で乙女に恥をかかせた罪、ゆめゆめ忘れるでないぞ!と
車の中に呪詛を吹き込んで帰宅した。
今後この意見がどんなふうに市政に反映されるのか、見守りたい。
帰宅したら卵が半壊していたが、
いい思い出ができたのでわたしは御機嫌である。
2月20日、引越し屋の見積もりマンの失態
計算機を忘れて行きおった。
わが部屋の掟に従い改造である。
とりあえず液晶を張り替えて文字盤を白黒反転。
まあ機能自体に問題はない。こんくらいよかろう。(だめです)
2月19日、引越し屋の見積もりマンあらわる
引っ越し業者の見積もりの人がきて
見積もりをして去っていった。仕事ですからな。
どこらへんのことまでやってくれるのかわからなかったので
もうすでにある程度荷造りなんかをしていたりしたのだが、
わりとなんでもかんでもやってくれるらしい。
軽いタンスだったら衣装が入ったまま運べるのですね。
ならば中身は出すまい。
そして掃除までしてくれるとかいう。別にいい。
荷解きの手伝いもします、という。
それだけはやめれ。
そもそも見積もりマンを部屋に入れること自体、
かなり下準備があったのだ。
部屋が散らかっているとかではない。散らかるほど物はない。
ただその数少ない物が、ディオ様や空条承太郎の立像だったり
009のフィギュア(コンプリート)だったり
本棚の半分がジャンプコミックスで占められていたり、なのだ。
べつに見積もりマンに対して見栄だの恥じらいだのを
持っているわけではないが、
あんまり世の中の女子大生に対する夢を壊すのを何かなと思って‥‥。
でもうっかりテレビの上にドルドレイ(バーチャロン)
のクラフト起きっぱなしにしていた‥‥。
よりによってあの土木系機体‥‥。
せめてフェイだったなら‥‥。
フィギュアスケートの採点不正疑惑。
ファンとしては大変苦い思いなのですが、
アイスダンスのアニシナ・ベーゼラのペアが
悪い噂に屈することなくすばらしい演技を見せてくれて本当によかった。
このペアは(わたしにとって)伝説の表現者にして氷上のダルタニアン、
フランスの男子フィギュアスケート選手
フィリップ・キャンデロロを師に戴く演技派です。
今回金を争っていたあたりも確かに演技力はあり、
金髪の麗しい鼻王子(ロシア)もそれはそれはグっとくるのですが、
キャンデロロほどのカリスマは、そうそうあらわれるものではないのだ。
彼の演技した後のスケートリンクは、文字どおり花束で埋めつくされる。
あまりの多さに大会の進行を遅らせたほどである。
ホ〜ラ美しさは罪〜。美しさは罪〜。
フィギュアスケートの真のお楽しみは競技じゃなくてその後です。
フィギュアスケート・エキシビション。
2/23、10:40。4chです。
今期は男子シングル銀メダル、
ロシアの鼻王子を要チェックの方向です。
2月18日、ジャンプ12号
ライパクが終わったというのが
現実であるというならば、
わたしは一生夢を見ていたい。
フ‥‥フフ‥‥(歯をガチガチいわせながら)
前号、前々号、前々々号と、ナカバせんせーの筆の冴え、
あの東堂院の緊張感、このままCDジャケットにしてしまえそうだ
とすら思いつつ、鳥肌たてながら見ていたというのに‥‥この仕打ち!
最後の最後にクエスターがメガネっ子なんて
素敵な置き土産を残してくれたのは大変嬉しいのですが、
そんなことよりわたしのアシュクロフトは!?
あのきままなキレ男の大活躍をもう少し見ていたかったっちゅうのです!!
よく読んでみて下さい。
最終回ですのでいちおうグラールの内情(及び日常)っぽいものが
いくつかのコマに渡って描かれているのですが
アシュクロフトは
「グラールには家庭や心に何かしらの問題を抱えた奴らばっかりが‥‥」
のコマに登場したきりです。
アーサー埋葬でみんなが泣いてるとこにも
アーサーが父親のように生徒に接している思いでのコマにもおらん。
たしかにあいつがいると絵ヅラが爬虫類っぽくなるので
しんみりとかほんわかに登場できないのはわかる。
だからこそ‥‥連載の中でイキイキと血まみれになって欲しかった‥‥!
東堂院もなんだかステキなヒゲを。とんでもヒゲを生やしていた。
美花さんとふたりでペンションかなんかを切り盛りしていそうなヒゲであった。
いかにしてあのヒゲに至ったかもまた見たかった‥‥!
しかし終わってしまったものは仕方がない。
以前にもわたしはここで書いた。
もう一度いおう。
鈴木央先生の次回作に期待する、と。
ジャンプでお願いします、ジャンプで‥‥。
テニプリ。
なんか、ゲームセンターあらしがいるよ。
ムーンサルトリー以外の何でもないよ。
どいつもこいつもムダな動きが多すぎる。
足の甲を楔でコートに縫い留めてやりてえ‥‥!
ワンピース。
わたしも懐柔されてしまった。
おねえさまかっこいいのう‥‥生きざまがさ‥‥
碁。
芦原さんかわいいな。ちいさいアキラもかわいいな。
爬虫類みたいな小学生もある意味かわいいな。
コイツの再登場を願う。
いちご100%はキライじゃないのだ。
でもうっかりりりむチッスとかいうかもしれません。
最近ブラックキャットよりもミスフルのほうが面白いと感じている
自分にか気がつきましたよ。
さらにホイッスルはおもしろいが名前を未だに
1人として覚えていないということにも気がつきましたよ。
いけねえいけねえ。
2月17日、009が
サイボーグ009をみつつ荷造り荷造り。
ハローキティのように、かわいく見えるように作られているキャラを
かわいいと思うことに抵抗のあるわたしではあるが、
今回のアニメはさすがにかわいいとおもいましたよ。
この回に関しては間違いなくDVD購入でござる。
そんなこといいながら結局全部購入するのであろう‥‥。
望むところだ!!!
2月16日、書籍選定の儀
引っ越しが決まったので現在ひたすら荷造りしています。
今住んでいるところがわりと収納が広いせいもあって、
一人暮らしとしてはちょっと多い。
今度は狭いのでおもいっきり絞らないといかんのです。
引っ越しの持ち物で一番厄介なのは本じゃなかろうか。
わたしも一人暮らしにしてはわりと大量の本を抱え込んでますが、
コレクションするとかそういった意識はあまりないので、
上下巻の上だけでいいやとか、5巻だけでいいやとか、
そういう選別の仕方を平気でします。
さらに千円以上する本でもばんばん切り抜きます。
書籍を切り抜くとは貴様!と思われるかもしれませんが
切り抜いたものは逆に大事にします。
累積された切り抜きはモロにわたし好みな情報がいっぱい。
編集しているのだとでも思えば結構冷淡にザクザクいけます。
だからこそ、わたしの前で最初から終わりまで、
完全な形を保っていられる本というのは希少な存在であり、
切り抜いてでもとっておきたいものと同等な価値を持っているんだから、
切り抜き同様、ものすごく大事にせんとならん代物であります。
しりあがり寿の方舟、真夜中の弥次さん喜多さん、
松本零士の戦場まんがシリーズ、ながいけんの神聖モテモテ王国なんかは
1巻として欠かすことができません。なかなかの巻数で参った。
小説はその点コンパクトで助かりますな。
最近やった切り抜きは、格闘ゲームの攻略本からの文章ひっこぬき。
サガ・フロンティアの裏解体新書冒頭の文章と、
ラストブロンクス東京番外地の大判攻略本冒頭文章、
さらにバーチャファイターのビジュアルブックあとがき文章。
サガフロはキャラを全部出しながらもストーリーとしておもしろく、
ゲームを小説化しただけ、と銘打つにはおしい作品。
なかなかの筆力と深いキャラへの愛、ゲームへの造詣がないとああはいかない。
格闘ゲームの方はどちらも大塚ギチ、という人が書いた文章。
高校の頃からずーっと気になっているライターさんなのだが、
まとまった本として刊行された書籍がほとんどないので
切り抜きを集めるしかないのだ。
しかし最近意外なことに、ジャンプコミックスのノベライズで
共著ではあるが、大塚ギチの名前を見かけてしまった。
「ジョジョの奇妙な冒険2・ゴールデンハート/ゴールデンリング」。
導入部の流れや、ジョルノを「ダビデ像のように精悍」と形容する大胆さ、
ときおり感じられる静かに熱を孕んだセクシーな表現、間違いなくギチ氏。
もっとじゃんじゃん仕事して欲しい反面、
余裕がないと書けん文章だな、ともおもう。複雑だ。
2月15日、部屋を探す
やれやれ。
おかげさまで何とか卒業をもぎ取ることもできましたので
この伝説の極寒テーマパーク東京シベリアランドともおさらばです。
雪も降らない静岡県からここに引っ越してきたときには
東京はこんなにも太陽の恵みを拒む土地なのか、
こんなに寒く生きづらい土地でも人は生きることを諦めないのか、と
そのしぶとさに舌打ちをしたものですが、
今後はこの地で培った忍耐と防寒と灯油崇拝の気持ちを大切に生きようと思う。
日記が久しぶりすぎて前置きが長くなってしまった。
とにかく本日何とか引っ越し先が決まりました。
不動産屋は4件まわり、物件まで見に行ったのは3つ。
この時期ってやはりどこの店でも物件の足がはやい。
ついさっき空いてたのが!とか一時間の差で!とかあるみたいだ。
人気物件は。
わたしが探していたのはなんかどうも変な条件だったらしい。
一番最初にいった不動産屋で「マニアック物件ですね」といわれた。
ちょっぴり屈辱である。普通だと思うのだが‥‥。
その後回った不動産屋でもなぜかトイレ共同とか、風呂なしとか、
築30年とか、大家さんのお家の2階に間借りとか、
珍妙な物件ばかりを見せてもらってしまった。
そしてあやうくそういったものに懐柔されてしまうところであった。
というか不動産屋も、
「オウ!フロなしどうよ!どうよ!どうよ!よくねえ?」
とかいってくるのが悪い。
そんなこといわれたらわたしだって
「上等!かかってこい!ぱぱっぺぽい!」
といわざるを得ないのだ。そうするとまた不動産屋も調子づいて
「拝見☆貴様の店の不思議物件大会」になってしまうのだ。
まあそんなこんなで不動産屋にもぱぱっぺぽい(連呼&ブーム)を伝染させたころ
隣の席で連絡まちをしていたと思われる、カッチリスーツのすてきな紳士が
「そうですか‥‥ピアノ、アップライトまでですか‥‥」と
肩を落として去っていったのをみて我に帰った。
あのままぱぱっぺぽいを連呼し続けていたら間違いなく
わたしのスタンド”メモリアル・バイイング”(思いで衝動買い)が発動して
トイレ共同(大家と)の部屋を借りていた。
ピアノ紳士に感謝。
2月14日、バトルロワイアルin恵比須3(最終章)
このサイトの日記に、たった一つ、存在価値があるとしたら。
1人の青年のありのままの生きざまを、
記し、刻みつけ、語り継ぐゆるしを得ている、ということである。
それは、とある一人の青年の、波瀾に満ちた生涯のお話である。
バトルロワイアルin恵比須3
〜恋は異国の花火のように〜
このお話を読むにあたっては、その序章である
バトロワ・イン・恵比寿と第2章であるバトロワ・イン・恵比寿2を
読まれることをお勧めする。
読んでいただかないとなんのお話しかちっともわからんものと思われる。
また非常に込み入っている上に常識が往々にして通用しないため<相関図>を用意した。
最終章では相関図に登場する人物はケイコ女史以外出てこないが、
第2章では必須となるものであり、相関図だけみていただいても
その異常性は確認していただけるものと思われる。御一読頂きたい。
前回のお話では東北から上京してきたごく普通の青年M氏が、
ただ生きていく、それだけのことが困難な体であるということを
運命に追い立てられるようにして悟り、様々なものを諦め、
一見落ち着いてきたかのようなところで幕を下ろしている。
今回のお話をケイコ女史からお聞きしたのは11/8。
バトロワ・イン・恵比寿2を御報告したのが6/12。
この約5ヶ月、M氏はどうしていたのか。
お話によると彼はなおも自らの心(と体)の安寧の地を求めて
何と中国に渡っていたという。
海の向こうこそ本場でありヤバイと思うのだが、
りんごのようなホホをした青年には、とにかく己をつけねらう
淫猥な魔獣どもから逃れるために、思いあまって、中国の親戚の元に旅立ったのだ。
異国とは言うものの、前述の通り親戚の家に厄介になることとなったM氏。
なんでもシルバーアクセサリーかなにかを扱う店であるらしい。
だがしかし、文字どおり逃げるようにして渡中したM氏であるので、
当然のことながら語学力もなく、バイトはおろか店の手伝いすらもままならない。
親戚の側からすれば厄介な居候であろう。M氏のほうも肩身が狭く、
しかし謝罪の言葉を述べようにも言葉は通じない。気まずい。
しかし気まずいながらも、言葉が通じないながらも、
歳の近い人間とはそれなりに気を通じ合わせることができるようである。
親戚の家にもともといたお兄さん、そしてそれを通じて知り合った同世代の友人たち。
M氏は居候の身が気まずい親戚の家から、
徐々にその友人たちの部屋を転々とする生活を始める。
ただ気まずい親戚の家から逃げ出したいという気持ちもあっただろうが、
異国の地で久しぶりにできた同性の友人と、同性の友人として過ごすのが
新鮮であったからではないかと推測する。悲しい話だが。
しかしそんな生活も、長くは続かなかった。
1人の友人(男)が、M氏を宿泊させてやった見返りを、M氏に求めたのである。
M氏にはなにもなかった。友人(男)もそれは知っていた。知っていて求めた。
何も持たぬM氏が差し出せたもの。何も持たぬM氏から友人(男)が要求したもの。
身体である。
1人に与えた後は、なし崩しのように、
他の友人(男)たちにも、求められたということだ。
体一つしか持たぬ彼から、存分に体を奪っていったそうだ。
M氏。
彼は心と体の安寧の地を求めて中国に渡り、
体の安寧を奪われて日本に帰ってきた。
しかしながら、彼の心は以前のように生きることに虚ろでも、
逃げ出したいという焦燥を抱えてもいない。
日本に戻ってきた彼を迎え、その話を聞いたケイコ女史によると、
彼の笑顔は、半年前のマックでの痛々しい涙を糧にしたかのような
花もほころぶようなかわいらしい笑顔であったそうな。
そう。
彼は、恋をしたのである。
異国の地で、とうとう、遅咲きのバラは、開花したのである。
わたしはかつて、彼の話を聞いたときに、
M氏はまるで抜き身の刀のような男だな、と感じた。
そのフェロモンはあまねく人々を魅了し、道を踏み外させる。
ある種の「さわるものみな傷つけた」状態である、と。
だが今回はそれを少々思い直した。
彼は刀ではない。鞘である。
とにかくここに納まってみたいと夢想される魔性の鞘である。
納まるべきところに納まるべきものが納まった。そして輝きを増した。
もはや何一つとして不思議なことはない。
ただ恋をして、幸せになった青年がいる。それだけだ。
それで十分だ。十分なのだ。
最後にもう一度、前回と同じ言葉で締めくくろうと思う。
このお話は、余りにもファンタジックで、現実離れしている。
だが信じてほしい。この世にはいろいろなひとがいるということ。
そして、上には上がいるように、下にも下がいるということを。
バトルロワイアルin恵比須3 〜完〜